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ふもと窯 井上尚之さんのスリップウェア

小代焼 ふもと窯

【暮らしの中に輝く『本物』の美しさを求めて】
小代焼400年の伝統を守り、登り窯を焚き続けています。燃料は松薪にこだわり、陶土は地元で
とれる粘土と、釉薬となる原料は木灰、藁灰を使用しています。日々、暮らしに調和した光り輝く
ものをと、作陶に励んでいます。(小代焼 ふもと窯さんHPより)

ふもと窯店舗と2階には資料館も.jpg

民藝を語るとき、その歴史の長さと技法から、どこから何を文字にしたら良いのかといつも迷って
しまいます。あまりに考えすぎると、文字にするのもおこがましい!とさえ感じてしまうほどに。
でもすごく気になって仕方ないものや、これはとても大切じゃないかと思うものは、自分の内に
あるものなので、僭越ながらも皆様にご紹介させていただきます。

これはまだ素焼きの状態.jpgこの日もすでに窯には沢山並べてありました.jpg6袋の登り窯は圧巻です.jpg

スリップウェア(Slipware)とはヨーロッパなど世界各地で見られた古い時代の陶器の一種。
日常的に使われる器として長い歴史があります。現在では様々な陶芸家が作品を制作されて
いるのですが、その中でもわたしたちが一気に目を奪われたのが井上尚之さんのスリップでした。

見事なスリップウェア

井上さんは、デザインの専門学校を卒業後、小石原焼の太田哲三氏に師事。その後お父様の
起こした窯に戻り制作の日々を送られています。ふもと窯にガス釜はなく、全てが薪を使った
六袋の登り窯から作られています。近年ではそうそう見ることの無いこの巨大な釜は、一度に
約4000個もの器が収められ、数日間かけて丁寧に焼かれます。

そして釜から出した時、一部のひび割れてしまった器が「鳴く」んだそうです。
『割れてるから良い事とは言えないけれど、それは何とも言えず良い音色なんだ』
そう話してくれた井上さんの表情がとても好きでした。

ふもと窯秋刀魚皿 迫力ありますふもと窯湯のみ 手のひらにすっぽりと収まるサイズ今回の入荷で一番の大物です珈琲カップ飲み口がとっても良い、毎朝使ってます箸置きやポットも入りました

観賞用の器ではなく、日々の生活の中で使うことを第一の目的とされた井上さんのスリップは
常に使い手である私たちの気持ち良さをカタチ取ったようなものが多いような気がしています。

それはテーブルに一皿置いただけで、楽しくなる、面白くなる器。
そこには寂しさが無く、あたたかさでいっぱいの器であるような感じ。

是非みなさまにもご覧いただければと思います。

Gouache ガッシュ 福岡市中央区今泉1-19-8 092-791-7555 open11:00-close20:00

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